Tdap(破傷風・ジフテリア・百日咳)ワクチン
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重要な周知事項
このワクチンは、厚生省薬務局審査で承認されていない個人輸入ワクチンです。
輸入ワクチン製剤を利用して副反応が生じた場合は、医薬品副作用被害者救済制度が利用できません。 -
製剤について
商品名:Boostrix
製造元:GSK -
製剤説明
対象病原体:破傷風・ジフテリア・百日咳
製品タイプ:不活化ワクチン -
接種対象者
9歳以上
妊娠期間中も接種可能 -
接種方法
:目的により接種タイミングが異なります
接種量 :9歳以上 0.5ml
接種目的
・小児定期予防接種:一般的には11歳以後、『破傷風・ジフテリア・百日咳』の追加接種として1回接種。
・妊娠関連予防接種
*妊婦(推奨週齢数/28~36週)
*妊婦の近親者(夫・同居者)10年以内に接種歴がなければ1回 - 追加接種 妊婦以外の接種の場合、『過去10年以内に接種歴がない』かつ『小児期の定期予防接種が完了している』場合には、1回接種を推奨します。
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授乳中の予防接種
授乳婦への接種は可能です。 -
禁忌
予防接種で過敏反応を起こしたことのある人
有熱者、重症感染症罹患者 -
注意
TdapとDPTは、破傷風・ジフテリア・百日咳を対象とするワクチンですが、異なる製剤です。例えてみると、バレーボールとバスケットボールくらい違います。
両製剤は、適応年齢が異なりますので、ご注意ください。 -
新生児の百日咳対策として、妊婦へのTdap接種
【新生児と百日咳】
新生児期は、気管内径が極めて狭いため、咳嗽・喀痰は呼吸リスクとなります。
特に百日咳にように長期にわたる咳嗽は、極めて危険な感染症です。
百日咳による乳児の死亡の多くは、乳児への百日咳ワクチンの効果が得られない月齢で発生しています。
乳児用の百日咳を含むワクチン(DPT-IPV-Hib)は、生後2ヶ月以後に開始されます。そのため、生後数ケ月間はワクチン効果が得られません。新生児期にとって、百日咳は生命を脅かすリスクのひとつとなります。
【胎盤を通した移行免疫】
母体が妊娠中にTdapワクチンを接種した場合、乳児の百日咳リスクが低くなると、エビデンスが示しています。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の評価によると、妊娠後期にTdapワクチンを接種すると、生後2か月未満の乳児における百日咳症例の78%を予防できることがわかりました。
2023年のデータによると、米国では妊娠中にTdap接種を受けている女性の割合は59.6%と推定されています。
【Tdap・妊婦接種の効果】
1:胎児の受動免疫となり、出生後の乳児百日咳による入院や死亡を防ぎます。
2:出産後、母体が感染源となる百日咳を予防できるため、乳児百日咳感染の外堀を守ることができます。
【妊婦へのTdap接種】
1回の妊娠につき1回Tdap接種を推奨します。
推奨週数は、妊娠27週~36週です。
百日咳が流行している場合は、妊娠初期でもTdapを接種可能です。
(妊娠初期に接種した場合は、27週以後の接種は不要です)
【新生児近親者へのTdap接種(コクーニング/cocooning)】
新生児の近親者も、Tdap接種の対象となります。
新生児の生活環境へ「百日咳持ち込み」を防止するためには、密に接触する近親者への接種もご検討ください。
「10年以内のTdap接種歴」がない近親者は、Tdap接種を推奨いたします。
【お願い】
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