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肝炎ワクチンクチン接種後の抗体価

ワクチンを接種すると、免疫抗体が産生され、免疫を獲得します。
免疫抗体は、感染体の病原性を中和(無効化)しますので、中和抗体と呼ばれています。
それでは、ワクチン接種後には、どのくらいの期間・週数で中和抗体が上昇するのでしょうか。肝炎ワクチンの資料から、中和抗体に関して抜粋してみました。

 【ご注意】
 以下の資料は、初回接種時以後の中和抗体の推移です。追加接種や既に感染免疫のある場合のデータではありません。

A型肝炎ワクチン/エイムゲン

1:抗体陽転率 

中和抗体は、初回接種の2週後から出現します。 
初回接種後、陽転率は99%です。 
2回接種後、抗体陽転率は 100%です。A型肝炎ワクチンは、非情に有効率の高いワクチン製剤です。 

2:獲得中和抗体 平均抗体価 

初回接種の1か月後、抗体価は 50~500(mIU/ml)ですが、6か月後には3~100mIU/mlまで低下します。
最低感染防御抗体価は1~2mIUとされているので、1回接種により6か月間以上の予防効果が期待されます。
初回接種の2~4週後に2回目の接種を受けると平均抗体価が 300~400mIUに上昇し、約2年間予防効果が持続します。
6か月後の3回目接種により、平均抗体価は約2000mIU以上まで上昇し、予防効果が5年以上持続するとされています。

【A型肝炎ワクチン 3回接種/平均抗体価の推移】 



【A型肝炎ワクチン接種後の 抗体陽転率と平均抗体価】 

4週 8週 24週 28週
接種経路

皮下接種

抗体陽転率
(%)
99.3 100 100 100
平均抗体価
(mIU/ml)
263 417 219 2,344

B型肝炎ワクチン/ビームゲン

1:抗体陽転率

抗体陽転率は、1回接種後が約13%と 低い値です。2回後が72%、3回後が約96%です。
B型肝炎の予防にビームゲンを使用する場合、第0週、第4週、第24週の3回接種を予定しますが、既定の3回接種を完了しないと充分な免疫は得られません。
B型肝炎ワクチンに対する低応答群は、約5%程度認められております。3回接種では、抗体陽転率は100%に達しません。

2:獲得中和抗体 平均抗体価

2回接種後は 6.6~9.5 mIUですが、3回目後は、皮下接種の場合は 473.4~917.9 mIUまで上昇します。

B型肝炎ワクチン 3回接種/平均抗体価の推移】

【B型肝炎ワクチン接種後の 抗体陽転率と平均抗体価】

4週 8週 24週 28週
接種経路

皮下接種

抗体陽転率
(%)
13.3 53.5 72.3 96.0
平均抗体価
(mIU/ml)
3.8 9.5 11.2 473.4

ふたばクリニック 広瀬久人 (2010.08.01)